夢の届け人。能代運輸
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祖父が山を持っていて、中学生の頃から林業を意識するようになりました。高校は林業科に進学し、卒業後は秋田県内にある林業大学校に2年間通いました。そして、2年生の時にインターンシップで能代運輸を見学することになりました。自分がイメージしていたのに近い仕事内容だったことや、林業大学校出身の先輩も働いていたので、祖父からは怪我をするからやめておけと言われましたが、自分の意志で入社することを決めました。林業大学校ではフェラーバンチャ・グラップル・ハーベスタ・フォワーダなどの免許を取得していたので、その資格を生かして重機を操作した仕事がしたいという希望もありました。
秋田杉を伐採する「伐倒」の仕事に取り組んでいます。チェーンソーで木を切っていきますが、まっすぐなものがあれば、ぐねぐね曲がっているものもあり、それぞれ切り方を変えて対応しています。やり方を間違えると変な方向に倒れたり、自分の方に倒れてきて下敷きになるような事故の危険もあるので、細心の注意が必要です。チェーンの張り具合がゆるいと外れて自分の方に飛んでくる危険があるので、毎朝の点検も欠かせません。林業大学校で使っていたチェーンソーと比べて、仕事で使うものはエンジンの大きさも重量も大きいので最初は怖さを感じましたが、先輩に教えてもらって使えるようになりました。
私はチェーンソーで木を切った後の、地面に倒れた時の音が好きです。特に太い木を切り倒した時の大きな音を聞くと、やりがいとこの仕事の醍醐味を感じます。今は仕事が一番楽しくて、一日に50～60本を伐倒しています。山の中で仕事をしていると、新たな発見もあります。先輩から教えてもらって、山菜を見分けられるようになりました。休憩時間に山菜を取って、家に持ち帰って天ぷらや胡麻和えにして味わっています。それと、作業場から30ｍほど離れたところに熊を発見したこともありました。鈴の音を鳴らしても反応しなくて、この時は焦りました。入社して4年目ですが、さまざまな経験をしています。
重機の免許は持っているものの、まだ実際に乗って仕事をしたことはないので、スキルを身に付けて早く実現したいと思っています。先輩社員が重機を自分の手足のように使って操作し、危険があればすばやく予知するのを見ると、やっぱりエキスパートだと思い憧れます。そんな先輩社員のようになりたいですし、後輩社員にもしっかりと仕事を教えて信頼される存在になることが目標です。休日は小さな畑でジャガイモやサツマイモを作って過ごしていますが、自分は自然に満ちた環境が性に合っています。子どもの頃から慣れ親しんだこの地に腰を落ち着けて、好きで選んだ林業の仕事を全うしていきたいと思います。
「さて、どこに届けようか。自分の夢」
